~あらすじ~
天才、最原最早。彼女の作る映像には秘密があった。付き合い始めたばかりの恋人を二週間前に亡くした彼女にスカウトされた二見遭一は、その秘密に迫るが ――。
芸大の映研を舞台に描かれる、異色の青春ミステリ!
(Amazonより)
私の評価:
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~感想~
どこまでが映画なのだろう、映画って何だろう。
そんな風に考えてしまう物語でした。私自身、映画は暇なときに気が向いたら見る程度なのですが、今まで映画で喜怒哀楽、様々な気持ちを抱いたことはありますし、映画の歴史をたどれば今まで映画は人種性別問わずに人々に感動、また感情を与えてきたかと思います。映画の制作陣もその歴史の中で様々な試みを行ってきてこれからも新たな試みが生まれてていくのでしょう。
しかし、本書で主題となっている映画は試みとしてはあったかもしれませんが、実現の度合いで考えれば実現はしていないのではないかと思うのです。それは洗脳であったり、麻薬のような効果がある映画です、映像でも良いでしょう。
もし、そのような映画が存在したら、作り出せたとしたら・・・
映画が人々に与える影響ってどこまでだろう、有限なのか無限なのか、その核心に迫っていく物語だったと私は思います。
~余談~
久しぶりに小説を読みました。正確に言うと読みはじめました。今まで思っていた暇つぶしのためという概念は崩れないのですが、わけあって本書は2度読みました。一応名目としては1度目は楽しむため、2度目は結末を知った上で理解しながら読み直すためです。小説に限らず、同じものを何度もやる事があまり好きではない私にとって2度読んでも意外と楽しむことができた物語でしたので充分に楽しめる作品だったのであったのではないかなと思います。ちなみに個人的に読み進む勢いがついたのは後半、核心をついてヒロインである最原とある人物の関係が明らかになった所からかなと思います。それまでの話の点が線となり繋がっていくのがハラハラしつつも心を躍動させました。
しかし、こういう物語を読むたびに自身の学生生活の薄さ感じてしまうわけですが、そうは言ってももう社会人となってしまい学生に戻ることはまずないのだとしみじみ思う今日この頃です。
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