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マルドゥック・スクランブル

~あらすじ~
なぜ、私なの?―賭博師シェルの奸計により、少女娼婦バロットの叫びは爆炎のなかに消えた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にしてネズミ型万能兵器のウフコックだった。高度な電子干渉能力を得て蘇生したバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵方の担当官ボイルドが立ち塞がる。それは、かつてウフコックを濫用し、殺戮のかぎりを尽くした男だった…弾丸のごとき激情が炸裂するシリーズ全3巻発動。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
まず、何故読もうと思ったか。この本を見つける前に以前村田さんの展覧会に行ったLink と書きましたが、その村田さんがキャラクターデザインを手がけるアニメがOVAで出るというのを知りまして、その後偶然に、学校の図書館で原作であるこの本を発見し、よし読んでみるかと思い読み始めました。(3巻にわたる長編とは知らずに(笑))
内容はどうかというと、淫猥さとグロテスクさなど暗い雰囲気が漂っていて正直言ってあまり人には薦めようとは思わない本ですね。面白いか面白くないかと言われたら面白かったかったですが、う~むなんと言えば良いのかな、良くもまあこんなものを書けると言うかなんと言うか、すごい作品であると同時に難しいものでした。3巻のあとがきからも伝わってきますが、作者の渾身の作であると言うことがひしひしと伝わってきます。私は1巻だけだと思い、通学の電車内のみで読んでいたのですが、読んだ後に2、3巻があることに気づき、ある意味唖然としましたが、読んでしまったのだから仕方ないということで、2,3と電車内でひたすら読み続けて全て読み終わるのに3,4週間かかりましたね。(あくまで電車内(笑)) 私はどうもたとえよく分からなくとも同じものを2度見たり、読んだりはあまり好きではないので、しませんがもう一度読み返さないとよく分からないなと感じました。(特にカジノの部分)

2007年9月26日追記
OVA化は数ヶ月前に製作中止となりました。残念です・・・

作者のサイトLink

マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)Link マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)Link マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)Link

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亡国のイージス

~あらすじ~
首都・東京を人質に、最新鋭の防空システムを持つイージス艦“いそかぜ”が乗っ取られた。特殊兵器を東京に向けられ、残された時間は10時間という中で、国家最大の危機に立ち向かう男の姿を描くスペクタクル・エンタテインメント大作。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
えーとですね。原作を読んだのは確か高1のときですから4年前になりますね。なのでもう詳細の記憶はかなり薄い状態で見ました。私からしたらLink 気の遠くなるようなハードカバーの654ページをあの時よく読んだなと感心します。そのため、どう2時間に収めるか見ものだったのでした。しかし、やはり2時間で収めるのは無理があったようで、内容的には薄っぺらい感じでしたね。一番驚きだったのは原作では主人公?の如月行は、敵側だという風に思わせる展開が長かったと記憶しておりますが、映画ではあっさりと味方だと分かってしまい、おいおいと思わず思ってしまいました。あの本を読むのはきついと思いますが、映画より原作を読んでほしいと私は思います。
(と言いつつ、原作は1度読んだきりずっと本棚ですが。(笑))

公式サイトLink

亡国のイージスLink 亡国のイージス 上 講談社文庫Link 亡国のイージス 下 講談社文庫Link 亡国のイージスLink

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エッシャーが僕らの夢だった

~あらすじ~
ミック・ジャガー、磯崎新、中村桂子、羽生善治…たくさんの著名人に愛される異端の版画家M.C.エッシャー。彼の世界最大のコレクションが、日本にあるのは何故なのか?アウトサイダーとしての生き方を選び、エッシャーの絵に魅せられ東京で夢を追い続けた3人の男たちの青春群像。60~80年代を舞台とした、心を熱くさせる物語。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
この本はエッシャーやエッシャーの作品自体のことを重点とした本でなかったので、読んでいるうちにそれに気づいたときは少し残念に思いましたが、そんなことを別として本として面白く満足させてもらいました。甲賀正治という方が借金をしてまでバブル期に7億円をだしてエッシャーコレクション(作品から下絵、遺品など数百点)を購入するまでの話をエッシャーの作品が日本にどのように紹介されていったのか、各人のエッシャーへの想いを当時の美術界、時代背景などを交えて書かれています。
とりあえず、最初から驚きました。 時代は1966年、学生運動真っ盛りで主人公である甲賀さんがなんと私の大学を中退するところ(しかも同じ学部)から始まるのです。具体的に大学名は書いておらず、アルファベットで頭文字が書かれているだけですが内容から分かります。驚きというかこの偶然性には笑わさせてもらいました。
そのほかに印象に残ったのは、我が国における終戦から高度経済成長、戦後の美術への関心、美術展の様子の推移など。主題はエッシャーとコレクションを買う甲賀さんなのですが、そういったものが作中にうまく取り込まれていて、大変興味をもって読むことができました。またなんといっても、私の知らない 60~80年代の雰囲気、この本に出てくる様々な人物のエッシャーにかける情熱、仕事にかける情熱を強く感じさせてくれる本で、これからエッシャー展へ行く予定の私にとっては本当に良い本でした。

p.s この文章自体は1か月ほど前に書いたものだったのですが、なかなか投稿する機会がありませんでした・・・。やっと公開。

こちらは最近出版された「エッシャーが僕らの夢だった」の再編集し文庫化されたものです。
エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた (知恵の森文庫)Link
こちらが私の読んだ方です。(現在品切れ中)
エッシャーが僕らの夢だったLink

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数の歴史

~あらすじ~
宇宙で最も普遍的な知と思われる数について、その歴史を丁寧に解き明かす。0の発見、負の数の使用、無限の考え方など、美しい絵や写真を豊富に掲載し、数と人々との関わりに迫る。
(Amazonより)

私の評価:

~感想~
この本を読んで数に対する考え方が変わりました。普段当たり前のように私たちは数と接していますが、今の形になるのに人類は何百、何千年?という月日がかかったこと、また同じように「0(零)」という数字にも発見、そして導入という過程があったこと、マイナス(負)の数が何百年も認められなかったことなど、様々なことが分かります。
私はもっとこの本に早く出会いたかったと思いました。そしてこういった数の歴史、数学の歴史などを学校の授業に取り入れて、ただそこに問題があるからやらなければならない。ではなく、なぜ数は生まれたのか、数が人類に与える影響などを知ることでいわゆる「理科離れ」といった現象も緩和されるのではないかと思いました。(ただの負け犬の遠吠えでしょうか^^; (笑))
しかし数は人類にとって恩恵があるばかりではなく現実世界で、たとえばお金であり、偏差値、であり、株価であり、登録番号であり、何でも数を与えてしまうことで精神的な貧困が進み、人間が数を操っているのではなく、逆に数に人間が操られてしまうのではないかという指摘をしていて、確かになぁとうなずきました。
とまあ為になる本だったのですが、私はどうもカントールとデデキントの無限(集合論)の話が理解できなかった^^; ちょうど情報数学で集合について授業を受けているだけに、これはいかんなと反省…。(いやまだそんなところまでやっていないかな)
あとは、本書を監修した最近ですとベストセラーになった国家の品格で有名な藤原正彦先生が数学者だったとはじめて知りました。その先生の新書の一部が最後に載っていてすごい共感したので紹介したいと思います。内容を簡単にまとめますと、
数学はどんどん新たなことを積み重ね、難しく、深く、進化している。そのため数学を勉強し始めて現在の先端に追いつくのにかなりの時間を要す。そのため昔は数学者のピークは20代と言われていたが、それがどんどん30代、40代…とずれてきている。これからもこのペースで進化していくと、先端に追いつき、新たなことを考えようとすることができるようになるときには50歳ぐらいになってしまうかもしれない。しかし、50歳の脳では新たな事を考えるにはきつい。そうなると、数学の進化が止まってしまうのではないか、そして数学の進化が止まれば、親戚である物理学、化学、そして工学と言ったように連鎖反応がおき、自然科学全体に危機が訪れるかもしれない。
と言った内容でした。(長くなってしまいましたね^^;)
実は私も同じような事を考えたことがあり、これを読んだときは驚いたのですが、私の場合は「ほんの百年前には私の専攻である電気自体が無かったわけだから私が100年前であれば、こんな勉強しなくて良かったのにな、でも逆に考えるとこの先勉強する人たちは、さらに技術が進化するわけだから勉強する内容が増えるのかな・・・それはそれで嫌だな。」と考えの重みは全然違うわけですけどね。(笑)

しかし、この事は現実味を帯びていて、ありえないことではないのかもしれません。

数の歴史 (「知の再発見」双書)Link


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ぼくセザール10歳半 1m39cm

~あらすじ~

10歳の少年が繰り広げる冒険の数々を、子どもの目線で描いたハートウォーミング・ストーリー。初恋や、初めての海外、そして日常の冒険など様々な出来事をユーモラスに描く。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~

おませな子だなと思いました。私がこの頃なんて、ただ鼻たらしてるだけでしたから。(笑)
まあ今も対して私は変わらないと思いますけど、こうして大人になっていくのだなぁ・・・ああ甘酸っぱいと見ていました。
ちなみに、ここら辺がフランス映画だなと思ったところは黒人と白人の夫婦が出てくるのです。これはハリウッド映画ではまず見られない光景だと思います。どうも私は白人は白人と黒人は黒人とというのが当たり前な感じがする映画を見ると首を傾げてしまっていたので、その点は良かったですね。

公式サイトLink

ぼくセザール10歳半 1m39cm スペシャル・エディションLink

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