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ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!

~あらすじ~
最先端のビジョナリーたちの言葉をひたすら集め、その意味を徹底的に考えてきた。未来志向の彼らの金言は、変化の本質を見極め、行動するための力を与えてくれた。
全く新しい論理で行動するウェブ巨人たちが語る名言は、激動の時代をサバイバルするための秘訣を教えてくれる。「アントレナーシップ」「チーム力」「技術者の眼」「グーグリネス」「大人の流儀」という5つの定理から、いま日本に真に必要な知とビジネス力を提案する。
(Amazonより一部改変)

私の評価:

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~感想~
私は去年の12月に著書であるウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶかLink を読みましたが、それと比べると面白みが薄れたような印象を受けました。

本書ではあらすじにあるように様々なビジョナリー(洞察力や先見の明がある人)の金言を集めたものとなっています。私から見ればそのビジョナリーの方々は本当にすごい方ばかりで、どの言葉もなるほどと納得したり、勇気づけられるものではあるのですが、読み進めていくうちに、それを知ったからと言って、一体どうなるのだと、シリコンバレーという最先端の技術の発信地で活動する人々との差異をまじまじと感じてしまい、現実離れしている感じを抱いてしまいました。もちろん、それが逆に大きな刺激となるという事もあるとは思いますが。そのような感じでしたので、1回と半分ぐらい読みましたが(中途半端(笑))、どれか言葉が頭に残るという事はありませんでした。ただ、人生における重要な局面に立たされたとき、迷い悩んだときなど、そういう場面で本書を手元に置いおいて、良いと思った金言に付箋を貼っておいて、それを読む。つまり、読むべき時に読む、そういう本であると思うと良いのかもしれません。

最後に一つ言いますと、タイトルにも付いている5つの定理の中の1つにグーグリネス(Googleらしさ)という節があり、検索エンジンによって世界中のあらゆる情報と莫大な富を手に入れたGoogleの第一倫理は「邪悪であってはいけない」とそれらの情報と富を悪い方向へは使わず、世界をより良く、生活しやすくするために使うと、世界をそうしていくと書かれていました。しかし、8月に公開されたGoogleマップ ストリートビューLink は日本ではプライバシーの観点から問題となり、そのすごさ(通りからの町並みが鮮明に見えてしまう)から、ネット上ならず社会で議論の的となりつつあります。また、それに対するGoogleの対応の悪さについても問題となっているようです。そこら辺を考えると「邪悪であってはいけない」に、ほころびが出てきているのではないかと感じました。また、それだけではなく、中国版Googleにおける「天安門事件」での検索結果に中国の圧力を受けて意図的な修正が加えられているなど、疑問を感じざるおえません。

私は今Goolgeを批判的に書きましたが、むしろGoogleが好きでGoogleがなければネットが始まらないとさえ思うほどです。ですので、「邪悪であってはいけない」を理念だけではなく確実に今後も実行していって欲しいと感じました。



著者の公式サイトLink
Wikipediaで著者を調べる→梅田望夫W
ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!Link

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ツォツィ

~あらすじ~
南アフリカ、ヨハネスブルグ。世界で一番危険なスラム。アパルトヘイトの爪跡が今も残る街に生きる一人の少年。本名は誰も知らない。ツォツィ=不良(ギャング・犯罪者を表すスラング)と呼ばれるその少年は仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸に日々を生き延びていた。名前を捨て、辛い過去を封印し、未来から目をそらし・・・。しかし、ある出逢いによって、ツォツィの人生は大きく変わり始める。奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊。生まれたばかりの小さな命に、ツォツィの封印していた様々な記憶を呼び覚まされていく。やがてツォツィは「生きること」の意味や命の価値に気づき、希望と償いの道を歩み始める。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
正直、最後まで胸が晴れる映画ではありません。しかし、変に感動話としないことで、リアルさが出て、幼少期に心に傷を負った子供や親を失った子供たちの痛みが伝わってきました。

見どころはあらすじにあるように強奪した車に偶然乗っていた赤ん坊を何か心に思うことがあったのか、誘拐してしまい、それを通じて、過去を思い出し、心にいろいろな感情が生まれるという流れです。一番は一度もお礼やお願いをするということがなかった主人公がお礼やお願いをするという場面です。ここで私は確かにこの主人公は変わったのだと感じました。

ただ、赤ん坊を誘拐する前に人殺しをしたり、仲間を暴行したり、車を奪う際に赤ん坊の母親に銃を撃ち、結果的に下半身が動かなくしてしまったことを考えると、なぜ赤ん坊を置き去りにしたり、殺さなかったのかという疑問も浮かんできます。その辺はもう少し描かれていると良かったのではないでしょうか。

幼少時の心の傷という点では舞台の南アフリカに限らず万国共通で、そういった傷を負った子供はいると思います。そして、それは成長にあたって大きな影響を及ぼす。日本でも幼児虐待や果てに殺害に及んでしまうという事件をよく聞きます。そう考えると、子供が生まれた限りはその子が貧富にかかわらず「幸せ」に育たなければならないと感じました。

私はこの映画を通じて、暗を見ることで自分の明を実感し、両親に感謝の念というものを改めて思いました。


公式サイトLink
ツォツィ プレミアム・エディション(2枚組)Link

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ドミノ

~あらすじ~
実話を元にした、ハリウッドスター、ローレンス・ハーヴェイWの娘でありながら、モデルから賞金稼ぎへ転身したドミノ・ハーヴェイWのハードな賞金稼ぎの生き様を描いた物語。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
映画の最初に断りがありますが、実話を元にはしていますが、結構フィクションが入っている様子です。確かに、ありゃないわと思う場面が見られます。実話を元にした映画だからと言って主人公のモデルになったドミノ・ハーヴェイさんを知っている必要もハリウッドスターで父親のローレンス・ハーヴェイさんを知っているといった必要は全くありません。普通に見て、それなりに楽しめる作品になっているのではないかと思います。

それなりにといいますのは私が馬鹿なのか、それとも分かりにくい作りなのか、内容が途中でこんがらがってなんとなくは理解できたのですが、細かいところがよく分かりませんでした。単に私が真剣に見ていなかったか、寝ぼけてみていたからという可能性もありますが。(笑)
もちろんちゃんと理解できれば充分に楽しめると思います。あと、全体的に映像がコンテラストの強くなっていますが、それがハードでクールさを良く引き出していると思いました。カメラの動きも自分は好きですね。

(追伸:最初から早送りで見直したところ、やっと一応全貌は見えた気がしました。分かりにくい原因は登場人物の多さと場面が変わりやすかったというのもあるのではないかと見直して思いました。ちなみに、きついシーンでもファンキーな音楽がそれを中和していて良かったと改めて思いました。)

ただ、やはり見所は主演のキーラ・ナイトレイWではないでしょうか。記憶にあるのはパイレーツ・オブ・カリビアンWのヒロイン役しかありませんが、それと比べてハードでエロティックです。また、演じられた当時は20歳?という事でそれを考えるとすごいなと。また、それほどはっきりとではありませんが、濃厚なセックスシーンでおっぱいを拝見出来ます。控えめな胸ですが、私は好きですよ。ええ。(笑)


Wikipediaでドミノを検索する→ドミノ (映画)W

ドミノLink

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11:14

~あらすじ~
11:14、それぞれ別々の場所で起きた事件、それらは3つのショートストーリーのように見えるが、実は複雑に絡み合っていて、情報が刻々と鮮明となっていき3つから5つへと展開される。
そして、それらがやがて1本の線へと繋がれる・・・
時系列を巧みに操ったサスペンス。

私の評価:

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~感想~
これは巧いなぁと思いました。おそらく、普通に時系列通りに話を進めたら全く面白くはないでしょう。冷静に考えればストーリー自体は偶然に偶然が重なったというだけのものなのですから。時系列をバラバラにして流す情報を制限して刻々と少しずつ全貌が分かっていくことに、この映画の面白さが詰まっていると思いました。

この映画を一言で言えば「因果応報」という言葉がふさわしいのではないでしょうか。

あまり話すと、いえ話せば話すほどこの映画の面白みは減ってしまうので内容についての言及はしませんが、最初、話がぶった切られて別々の話のような形で進むので色々と疑問が頭に浮かぶのではないかと思います。私自身、ある部分で展開が急というかよく意味が分からなくなったので重要なシーンを見逃したのかと思い、巻き戻してみたほどです。もし、そのような状態に陥ったとしても問題はありません。ストーリーが進むことによりその疑問を解決していきます。暗くて分かりにくかったり、分かりにくい作りだと思っても、それはちゃんと考えて「わざと」情報を制限しているだけなのですから。

余談ですが、あの腹上死?事故?は笑えました。それと、サスペンスと言うことで多少グロテスクな面もありますが、痛々しくも半分コメディ的な要素も含まれていますので、それほど怖がる必要はないかと思います。あと、最後に、時間も長すぎず短すぎず綺麗にまとめられているというのが良かったですね。


11:14Link

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明日へのチケット

~あらすじ~
ケン・ローチ、アッバス・キアロスタミ、エルマンノ・オルミという3人の高名な監督による物語を1つの感動作にまとめあげた! ローマ行きの特急列車に乗りこんだ初老の大学教授、目的なく日々を過ごす若者、待望のサッカーの試合を見に行く少年たち。それぞれの愛、不安、希望を胸に新しい未来へ旅立っていく。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
良い意味で「つまらなくはない」映画です。では面白いのか、それは何とも言えない、そんな印象です。この映画はあらすじにもあるように3人の監督が同じ列車に乗り込んだ人々の物語をそれぞれ別の人物を主人公として撮られたオムニバス映画です。(よく見るとちゃんと3つの話には列車以外に接点があります)

私の3作品に順位を付けるならば
3作目(サッカー少年たち)>2作目(兵役義務でおばさんの手伝いをする青年)≧1作目(大学教授)
といった感じです。

どれも最後はハッピーエンドの話(2作目はハッピーエンドと言えるか微妙ですが)で、どれも笑えたり、笑顔になれる作品となっていて、ゆったりのんびりと言った要素を求める方にはお勧めなのではないかと思います。またどの作品からも近年のヨーロッパ・イタリア事情が垣間見えますので、そこも注視すると、より面白いのではないかと思います。

ただ、私もよく知らなかったのですが、日本でも911以降検査が厳しくなりましたね。イタリアでは列車でもテロへの警戒が厳重なようで1作目ではその様子が映されたり(この列車は国境をまたがる電車なのでそうなるのは当たり前かもしれませんが)、1作目と3作目では難民が多いのかその様子が描かれています。舞台はローマ行きの列車なのでそこら辺のイタリア事情を知っていると、より楽しめるかもしれません。


明日へのチケットLink

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