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美連協25周年記念 日本の美術館名品展を見てきました

東京都美術館Link で4月25日から7月5日まで開催されている美連協25周年記念 日本の美術館名品展Link を見てきました。
見てきたのは5月28日Link の午前でしたが、それについてのレポートを今日書きたいと思います。
ちなみに今日も上野には行きまして、5月28日の日記を見ていただけるとわかりますが、時間がなく最後の方はかけ足となってしまったので、図録を購入しようと思い、足を運びました。
そこで、2500円の図録を購入すると美連協加盟館ガイドブック(350円)をいただけるということでありがたく、いただき、また、来月に仕事で地方へ飛んでしまう友人へのプレゼントということでポストカードを2枚購入しました。
図録とガイドブック
図録とガイドブック

展覧会の内容を一言で言えば、幕の内弁当。
西洋絵画、彫刻から始まり、日本近・現代洋画、日本画、版画、彫刻と国内外の画家を問わず日本の美術館が所蔵する19~20世紀の様々な運動、様式の作品が一同に関した展覧会で、作品数は200以上あり、ボリューム満点で、この展覧会のCMではありませんが、正に、日本良くやった!と言うべき作品の数々であったと感じました。

私としては何故、東京国立博物館Link の阿修羅展や国立西洋美術館Link のルーブル美術館展が何十分待ちの行列なのに、こちらは待ち時間はなく比較的空いているのか疑問に思うほどです。(私は阿修羅展もルーブル美術館展も見てはいないので作品内容での優劣はつけられませんが)

私がこの数多くの作品の中で良かったと思う作品を上げますと
ピエール・ボナール 浴室の裸婦
ピエール・ボナール 浴室の裸婦

モーリス・ヴラマンク 雪
モーリス・ヴラマンク 雪

藤田嗣治 私の夢
藤田嗣治 私の夢

狩野芳崖 伏龍羅漢図
狩野芳崖 伏龍羅漢図

この4点でしょうか、他にも挙げたらきりがないのですが、改めて画集を見てこの4点を選んでみました。

1枚目のボナールの浴室の裸婦は妻をモデルにこのほかにも裸婦を描いているのですが、私はボナールの裸婦像を見たのはこれが初めてでした。生々しいといいますか、瑞々しいといいますか、この1シーンを選ぶところに画家のセンスを感じました。

2枚目のヴラマンクの雪、これはなんでしょうね、直感的に荒々しいタッチにスピード感が溢れ、冬の厳しさを感じさせるすごい絵だなと思いました。

3枚目の藤田嗣治の私の夢、これは私の夢でもありますね(笑) やはり、藤田さんの絵は良いなと。ちなみにこの作品は獣が服を着て人間が裸であり、人間は退廃し、獣にも劣るという世間への皮肉ではないかという意見もあったそうですが、あくまでこんな夢を見お までと藤田さんは答えたそうです。

そして、最後、4枚目の狩野芳崖の伏龍羅漢図、いや、これは見ての通りと言いますか、格好良すぎる! 羅漢図とは思えない羅漢図。とても洗練された感じが良かったです。

と、このような感じで他にも多くの名画が展示されており、普通に見ても見終わるのには2時間ぐらいはかかる大変お得な展覧会ですので是非、興味を持たれた方は足を運んでみてください。


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没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて-を見てきました

新宿で説明会を終えた後Link 、すぐ近くにある損保ジャパン東郷青児美術館Link没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて-Link を見てきました。

岸田劉生というと、あの怖い麗子像を思い浮かべる方も多いのではないかと思いますが、この展覧会の目玉とされている麗子像は写実的な麗子です。しかし、様々な麗子像の中には化け物のような者もあったりと、あんた娘をどういう目で見てるんだよと思いたくなるような作品もありました。(笑)
展覧会は人が少なくゆったりと見られましたし、それほど作品数も多くはなかったので1時間もかからずに見終わる事が出来ました。様々な肖像画を描く事で物事の本質をとららえる事が出来る。やっぱり色々な作風があった方が面白くて良いですね。

それはそうと、東郷青児の絵ってCGっぽくて好きじゃないと思っていたのですが、目の前にしてみると本格的なCGが出来る数十年も前にこういう絵を描いていたという事は斬新であり、洗練されていて美しい絵であるなと感じました。
美術館より景色
美術館より景色

美術館入口
美術館入口

麗子肖像(麗子五歳之像)
麗子肖像(麗子五歳之像)

古屋君の肖像(草持てる男の肖像)
古屋君の肖像(草持てる男の肖像)

望郷
望郷


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軍オタツアー?してきました

会員のENZANの提案で軍オタツアーっぽいのをしてきました。
順路はこんな感じです。
順路
総距離約10.6kmで2時間少々です。

順路 by キョリ測Link

マップの1の市ヶ谷の駅を降りて、まずは2のお札と切手の博物館Link へ。
お札と切手の博物館


入場料は無料です。また、3月8日までお札で旅する世界遺産Link という特別展もやっています。通常展ではお札の歴史、製造技術などを知る事ができ、特別展では世界のお札に合せて世界遺産がコラボされていて、なかなか面白かったです。
これだけの内容を無料で見られるというのは嬉しいですね。
1億円の重さを体験できます
1億円の重さを体験できます。本物かどうかは分かりませんが、なかなかの重さでした。

自分の身長、体重がどのぐらいになるか分かります
自分の身長、体重がどのぐらいになるか分かります


次に近くにある防衛省(市ヶ谷駐屯地W)を見に行きました。(マップ3)
初めて見ましたが、新しくて綺麗ですね。というか、生で見られただけで感激しました。ちなみに偶然、小銃を持った警衛の儀礼的な交代する所を見る事が出来て嬉しかったです。
防衛省正門
防衛省正門

右奥に警衛がいます
右奥に銃を持った警衛がいますが、小さくて分かりませんね。


次にマップ4の靖国神社Link へ。靖国神社までは若干遠かったですね。まあ20分ほどでしょうか。
そして、私は就活が成功する事を祈って参拝し、合格守を購入。
靖国神社正面
靖国神社正面

そして、次のお目当てである靖国神社が運営する博物館の遊就館Link へ。(マップ5)
遊就館
遊就館

零戦
零戦ですね。ちなみにこのフロアは無料で見られます。

野戦砲
野戦砲ですね。左が九六式十五糎榴弾砲で右が八九式十五糎加農砲です。

蒸気機関車
蒸気機関車ですね。同じく名前は忘れました・・・(笑)

蒸気機関車正面
蒸気機関車正面

時間は1時を過ぎていましたので昼食をと言う事で遊就館の食事処で金曜に出される海軍の伝統である海軍カレーを食べました。普通に美味しかったですよ。ちなみに今日は節分という事で豆ももらいました。
購入したお土産
購入したお土産です

海軍カレー
海軍カレー

遊就館は2時間ほどで回りましたが、まともに展示物を見ようとすると、おそらく3、4時間はかかります 。また、館内上映されている映画も見たりなんてしていたら靖国神社と遊就館だけで1日終わるのではないでしょうか。(それは言い過ぎかな…(笑))
政治家のお土産
政治家のお土産が靖国神社の外のお土産店に売っていました

靖国神社の鳥居
靖国神社正面にある最初の鳥居です。すごい大きくて驚きました。


そして、最後に皇居へ。
武道館
マップ6の武道館

東御苑
残念ながら、東御苑への入園は3時半までで、この時4時を過ぎていました。

マップ7の楠木正成像です
マップ7の楠木正成像です

マップ7の楠木正成像 その2
マップ7の楠木正成像 その2

皇居正門
皇居正門

桜田門
桜田門(マップ8)

警視庁
警視庁(マップ9) ドラマやこち亀などで見ていて、実際に見たのは初めてだったので感激しました。

日比谷公園
これが年越し派遣村があった日比谷公園ですか・・・。(マップ10)


こんな感じで、東京駅まで歩き、軍オタツアーを終えました。私にとって皇居以外は全て初めてでしたので、どれも新鮮で良かったです。ちなみにマップに書いてあるように霞ヶ関を通り抜けたわけですが、ここに多くの官僚がいるのかと思うと、なんだかワクワクすると共にため息をつくほどでしたね。

いや~そんなに期待はしていなかったのですが、誘ってくれたENZANに感謝するほど満足できました。こうやって見ると東京ってテレビなどで知っている場所(名所?)が多くて、そこに訪れるだけで、感激してしまうのは不思議なものですね。(単に田舎者の発想でしょうけれど。(笑))

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妙心寺展へ行ってきました

妙心寺展の看板


東京国立博物館Link で1月20日から3月1日まで開催されている開山無相大師六五〇年遠諱記念 特別展 妙心寺Link へ行ってきました。

一つ前の記事に書いた国立新美術館の加山又造展Link の後(午後2時半頃)に行きました。加山又造展より混んではいましたが、作品の前に何重の列が…というほどではなく、まあ普通に見る事が出来、1時間20分ほどで回りました。

公式サイトを見て分かってはいましたが、一番の目玉はトップにある花卉図屏風と龍虎図屏風Link であるものの絵画作品がメインではなく、主に妙心寺の時代の流れをたどる、どちらかと言うと歴史的な価値のあるものの展示物がほとんどでしたので、それほど妙心寺自体に興味がなかった私としては、いささか退屈な展覧会ではありました。書物や自賛(肖像画)の説明文は一応だいたい目を通しましたが、なかなか難解で、これだけで頭に入ってくるものではありませんでした。

ただ、第4章:禅の空間1 -唐図と中世水墨画-Link あたりから面白くなったかなと思います。例えば、狩野正信筆、鍾呂伝道図という仙人から術を授かる絵があるのですが、こんな身なりの変な仙人から術を授かりたくないな~と笑ってしまいました。また、蔡山筆の十六羅漢図は顔が面白いな~と思ったり。

第6章:妙心寺と大檀越 -繁栄の礎-Link では私の中では変な絵ばかり描いていると思っていた曾我蕭白Wがまともな像を描いていて驚きました。

一番面白かったのはやはり、第7章:近世の禅風 -白隠登場-Link でしょうか。やっと私でも読めるような書や分かりやすい絵が登場したといった感じで、特に章の副題ともなっている白隠慧鶴Wの絵がとても親しみやすく、良かったですね。
白隠慧鶴筆 達磨像
白隠慧鶴筆 達磨像

最初に書いたように、なかなか芸術目的ではお勧めできない展覧会ではありますが、私の場合、さっと説明文を読みつつ、進んでも回るのに1時間20分ほどかかりましたので、理解しながら、じっくり見る分には、2、3時間見る事が出来る量です。

妙心寺を始めとする京都の寺院の宝物が一堂に会するという滅多にない展覧会でしょうから興味のある方は是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。

あ、ちなみに、私は購入しませんでしたが、440ページのボリュームで2500円の図録はすごいと思いました。確かに、このボリュームになるのもうなずける展覧会ではありましたが、この手の図録での、このページ単価はすごいです。

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加山又造展を見てきました

国立新美術館


国立新美術館Link で1月21日~3月2日まで開催されている加山又造展Link を見てきました。国立新美術館は開館の時に行って以来Link 、約2年ぶりだったようです。

以前、加山さんの「春秋波濤」という作品を見て以来、気になる画家の1人でしたので、これは是非行かねばと思い、見に行った次第です。

土曜という事で混んでいるかと思っていましたが、見に行った午前は小雨がぱらついていたせいもあってか、意外と空いていました。なので、ゆったりと見る事が出来たので良かったです。作品は大作が多く、数はそれほど多くはないので、1時間もかからず、回れるほどでした。

公式サイト
Link にだいたいの流れと作品が載っていますが、どの時代も斬新で面白い作品だなと思いました。一番良かったのはやはり、第2章 時間と空間を超えてLink でしょうか、あの世界観に波のように心躍らされました。とても不思議な気分になれる作品でした。

異質だと思ったのが、第3章の線描の裸婦たちLink です。よい意味で、こういう作品も描くのかと驚きました。どれも性的な感情よりも美という感情が先に来て、ああ美しいなと思いましたね。しかし、これらの作品に触れて感じた事はレースってエロいなと。全裸の作品よりもレースで包まれていて網目状に見える肌に良さを感じました。ちなみに個人的には「裸婦習作(白いレース)」の白いレースを背景に日焼け裸婦という日焼けが映える絵に一番、加山さん分かってるな!と共感したわけですが。(笑)

図録は迷わず購入しました。どれも好きな絵ばかりでしたので。
図録の中で面白いなと思ったのが、加山さんがパソコン、CGにも興味を持っていて、展覧会にはなかったCGが載せてあった事です。こういう日本画家といった方は、そういうものに疎いという固定概念があったため、意外で親近感が湧きましたね。
しかし、和洋とわず、様々なものを自分の作品に取り込んでいったという側面を考えれば、それは当たり前の事だったのかもしれません。

私のように春秋波濤でピンと来た方は見に行って損はないでしょう。


ちなみに国立新美術館で無料で開催されている展覧会があったので、そちらものぞいてみました。
第21回 平泉展 ~楽しい手作り~
Heart Art in TOKYO 2009 第12回エイズチャリティー美術展
第31回 國際書画展
の3つです。
平泉展は様々な方が描かれたり、作られていて、作る事の面白さというのを再認識させられましたね。自分も作ろう!と思いました。
エイズチャリティー美術展でも、様々な方が描かれた作品が展示されていて、エイズに対するコメントを寄せている展覧会でした。また、来客録?に署名した所、コンドームをもらってしまい、心の中で使い道無いよ!!と叫んでおきました。(笑)
國際書画展は最近、とめはねっ!Link という書道部を舞台とした書道漫画に、はまっているため、書道って良く分からないと思っていた私ですが、面白く見る事が出来ました。数多? 作品に触れて思ったのは、読めないけれど、勢いがある大字書(参考:毎日書道会「書のある暮らし」:書風・作品 (大字書)Link )が印象に残りました。結論、インパクトって重要だなと。

そんなわけで、2年ぶりの国立新美術館でしたが、充分に楽しむ事が出来ました。ただ、2月4日から行われる文化庁メディア芸術祭Link が気になったので、それも開催されていれば良かったのにと残念ではありました。

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