さて、展覧会についてですが、ミレイ展のページ を見ていただけると載っている『オフィーリア』、これはシェイクスピアの戯曲ハムレットでオフィーリアが溺死する場面を描いた作品で、これが目玉となっています。私もこれが半分ぐらい目当てで見てきたのですが、これがとても細密で色彩が鮮やかで心奪われましたね。溺死するという悲しい場面だというのに何故こんなにも美しいのかと思いました。また、作品自体も思っていたより大きく意外でした。他の作品も細かく丁寧に描かれていたのですが、まず、最初から驚きました。ミレイは最年少の11歳でロイヤル・アカデミー(王立美術学校)に入学した事もあり、10歳の時に描かれたデッサンが半端ないです。逆に言えば、この時代、もちろん今の時代もそうでしょうが、デッサンは画家にとって基礎中の基礎である事がうかがえました。
それ以外で私が注目した作品は『マリアナ』と『救助』です。
マリアナの解説はbunkamuraのページ に載っています。絶望の中で孤独な生活をおくる女性ということなのですが、これが本当に美しく妖艶で、下手な裸婦画よりも官能的に感じられます。腰つきが実にけしからん!(笑) 表情も良く、どれをとっても素晴らしい。
救助ついてのの解説は載っていないのですが、見ての通り消防士が子供を助け出し、母親が安堵するという場面です。私が惹かれた理由はまず、この勇敢な消防士が格好良い、そして、これは会場の解説に書いてありましたが、左上から右下への赤から青への色の変化が、この場面を良く引き立てているところが良いと。ちなみにこの作品はポストカードが販売していなくて残念でした。
あとは『ああ、かようにも甘く、長く楽しい夢は、無残に破られるべきもの』、『ベラスケスの思い出』、『あひるの子』、『使徒』、『国王衛士』、『何を考えているのか』、『ハントリー公爵夫人』、『穏やかな天気』などが良かったと感じました。70点余りあり、どれも綺麗ではあるのですが、実はあまり心に来ない作品も多かったのです。それでも上記の作品を見られた事は大きい収穫であったのではないかと。
ただ、1つ失敗したと思った事があります。平日の3時ぐらいならば空いているだろうと思って行ったら入り口から結構込んでいて焦りました。え、こんなに人気があるのと。ですが、帰宅してそれを父に話したところ、明日の秋分の日と併せて月曜を休みにする会社も多いんじゃないと言われて、ああなるほどと思いました。これは少し誤算でしたね。まあですが、1時間半ほどそれほどせかされる事もなく見られたので良かったとします。
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