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ブルマーはなぜ消えたのか―セクハラと心の傷の文化を問う

~あらすじ~
日本男児の青春の思い出、ブルマーは絶滅した。
それには「人の嫌がることはしない」原理主義とでもいえる
イデオロギーが関わっていた。人の顔色を窺い、
ビクビク萎縮した今の日本が、理想の社会なのか? 
過剰なセクハラ規制・禁煙運動に負けず、ささやかな愉しみを享受する
ために、現役精神科医がおくる知的"闘争"参考書!
表紙にブルマーの誕生から消滅までの写真入年表付。
(Amazonより)

私の評価:

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~評論~
まず、話の対象としなければならない。と言うか避けては通れない印象の残る本書のタイトルですが、これはブルマーWという単語にグッとくる方には惹かれるでしょうし、気持ち悪いと思われる方には退かれるでしょう。ちなみに私は前者でした。(ブルマーフェチというわけではありませんが) これは例えば以前、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? Link 」という本が話題になりましたが、この本の場合は多くの方が読みたくなるような印象づけたタイトルだったのではないかと思います。しかし、本書の場合、印象づける1つの賭けだったように思えます。ブルマー好きを惹きつけ、女性層を捨てるとも取れる賭け。しかし、私は本書を読み終えてタイトルはこれで正解であったと思いました。(商業的にどうなのかは別として)
ですが、私もなるべく誤解を減らすために書いておきたいと思います。本書はブルマーフェチの精神科医が1冊丸々ブルマーについて語りつくす本ではなく、あくまで話の切り口としてブルマーを取り上げたものである。しかし、著者のブルマーへの執着(愛)は相当なものである。ということです。
それにつきましては、Amazonの方で最初の数ページ(目次や序章)でただで読むことが出来ますので、そちらから読み取ることが出来ます。
まずは序盤のブルマーの部分について話したいと思います。私の世代(1987年生まれ)では小学校中学年あたりまではブルマーを確認できた気がしますが、高学年、遅くとも中学からは女子は皆ハーフパンツになったのではないかと記憶しています。(本書に書いてあるブルマーの歴史と照らし合わせても符合します。) そのため、ブルマーに対する性の意識、著者の言うブルマーへの甘酸っぱさ、青春という恩恵を受けることはありませんでした。ちなみに、こういったあってもなくても社会の根本には影響は無いが、無ければ確実に何かが失われるようなものを本書では「辺緑」と言い、これはこの本の重要なテーマでもあります。
ブルマーを切り口にジェンダーフリーW、医療裁判で問題になることも多いインフォームド・コンセントWなど今、社会で話題に良くあがるような事柄を精神科医という見地から批判していきます。これについては私も本当にうなずくことばかりで、序盤のブルマーに関する話に負けず劣らず面白く飽きることがありませんでした。ただ、一つ言うならば性同一性障害について述べているところで著者がクリスチャンであるためか、聖書を引用して紐解いて行くわけですが、クリスチャンではない私にとっては若干いただけなかったかなと思いました。(それについては後書きで著者も注釈を入れていますが)

ちなみに私は最後の方のこの文章にこの本の全てが凝縮されているように思い、印象的でしたので引用させて頂きます。

これは、ユートピアだろうか。そうではない。それどころか、ついこのあいだまで、日本の社会はおおむねこのような社会だった。喫煙者は、好きなところで吸っていた。世の中には、適度のエロスが漂っていて、特別な場所に行かなくても、日常生活の中で程よい性的な満足を感じることができた。廊下に立たされて体罰だと騒ぎ立てたり、先生に叩かれたからといっていきなり告訴するような生徒も親もいなかった。


この文章だけを見るとなんてひどい、古い悪しき社会だと思われる方もいるかもしれませんが、本書を読みむことで、この文章を読む頃には充分納得のいく文章と思えるようになるのではないでしょうか。私はそう思います。
私は本書を読み、改めて、常識とは何だろう、平等とは本当に善なのだろうかと自分に問いただされました。

追伸:よくよく思い返してみたらブルマーでなくてもハーフパンにはハーフパンの良さがあったなと。それは何かと言うと、体育座りをしている子を見ると、そのハーフパンの中が見えそうで見えない。チラリと見えそうで見えなイズム的、そんなもどかしさも、ある意味一つの良さかもしれません。とは言ってもブルマーの感じるそれには到底及ばないものなのかもしれませんが・・・。


ブルマーはなぜ消えたのか―セクハラと心の傷の文化を問うLink

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物語の役割

~あらすじ~
映画「博士の愛した数式」の原作者、作家小野洋子の講演を元に作られたもので、自分の生い立ちと物語の関係、自分の物語を書くという事への考え、物語のもらたす感情の変化など著書や他書の話を交えて書かれている。

私の評価:

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~評論~
私は博士の愛した数式を映画の方しか観ておらず、小野先生の作品は一切読んだことが無いのですが、以前、数学者の藤原先生と小野先生の対談本である世にも美しい数学入門Link を読んでいたため名前を覚えていたので、読んでみました。
中身はだいたいあらすじに書いたとおりですが、読み終わって率直な感想としては物語というものを書いてみたくなりました。まあいざ書くとなると難しいでしょうが、自分も書いてみたいな、書けるかもと思わせてくれました。何故、そう思わせるのかというと物語というものは難しい物ではなく、ストーリーは日常生活の中に転がっていて、後はその転がっている物を選択して加工するだけとか、難しく言うのではなく理解しやすく言われているのが良かったかなと。何より口調が優しく、謙虚で人となりというものが伝わってきたと言うのもあると思います。
普段、物語を読んでいる方は元より、読んでいない方も本書を読むことで別の視点や深く読むことが出来るかもしれません。


Wikipediaで小野洋子について調べる→小野洋子W

物語の役割Link

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すべてがうまくいく8割行動術

~あらすじ~
 人間の意欲はあなたが考えるほど続くものではない。人間は一度なし遂げてしまうと、それまでの行為は達成感のみに置き換えられてしまう。達成した途端にドーパミンが切れて、その行為を忘れてしまうのだ。つまり、達成感という"区切り"を付けることによって忘れやすくなる。だから、全てをやりきらないで、あえて8分目くらいで止めるのがいい。
 そこで提案するのは、その日の達成度を8割にとどめておくという8割行動のススメ」だ。8割ずつやっていけば、翌日にもつながってゆく。8割でやれば、次もドーパミンが出てくる。いままでは気楽にいくか、全力投球かの2通りしかなかったが、本書はほどよい人生設計を提案する。
 8割行動術は、「仕事」「家庭」「恋愛」「人間関係」などなど、どんな場面でも応用できる、幸せになる脳の使い方なのだ。
(Amazonより)

私の評価:

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~評論~
これは素直に面白いですし、「おお、確かに」とか「なるほど、そうか」などと共感できることが多いです。また、セクションが読みやすく(長すぎず短すぎず)分けられていて大変読みやすく、飽きず、ストレスもたまりませんでした。ちなみに著者は大学病院で助教授をしていたのですが、窓際だったため物書きに力を入れ、その後退職し作家となった経歴でそのエピソードも交えて書かれているのですが、病院の裏側が見え、それもなかなか面白かったです。
ちなみに本の題名の通り8割行動、つまり全力ではなく少し気を抜いて行くと良いことがあるよと言う内容でいろいろなケースを交えて書かれていますが、私の場合は普段から何割で行動しているんだと言うぐらいのていたらくですから、もっと力を出して、いや全力で行くべきだと思いますがね。(笑)
本書を偶然発見したのですが、もし、あまり知られていないのであれば、ぜひ周り薦めたいと思いました。もっと評価されて良いと思います。(いや、評価されているのを私が知らないだけか?)

著者のサイトLink
著者をWikipediaで検索する→米山公啓W

すべてがうまくいく8割行動術 [ソフトバンク新書]Link

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数に強くなる

~著者からのコメント~
この本を読んでほしい人
・「数字なんて大ッキライ」という人
・ 数字を見ると、ジンマシンが出てくる人
・ ビジネスマンの人(できるなら逃げたいが、仕事で数と向き合わざるをえない人)
・ 家庭の主婦(数学は苦手だったけど、数の世界には少し気がひかれる人)
・ 中学生、高校生、大学生(本当の「わかる勉強」がしてみたいと思う人)
・ 学校で算数や数学を教えている先生
・ 数や数学に、すっかり自信を失ってしまった人
(Amazon(本書)より)

私の評価:

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~評論~
404 Blog Not FoundLink で紹介されていて興味を持ったので買ってみました。(買った時期はまだ留年と確定していない2月でした。) しかし、漫画と違ってなかなか読む気がしないもので結局学校が始まってから本格的に読み出して(通学中の電車内や空き時間)、この間読み終えました。しかし、読み終えたのは良いのですが、なんとこの本を無くしてしまったのです。学校でなくしたかと思い、届出が出ていないか事務で聞いても無し。いまだ見つかりません。もし、本書の落し物がありましたらそれは私の本かもしれません。ちなみにさらに悲しいことに、この間まで無かったのに今日調べたところ学校の図書館に入っていました・・・。(まあ借りた本を無くしたらそれはそれでダメですが)

と、前置きが長くなってしまいましたが、最初に結論を言いますとこの本を読んだからと言って数に強くはなりません。(当たり前と言えばそうかもしれませんが) 本書を通して数と言うものを身近に感じることにより、数に強くなるのでは? と言うことだと思います。
私には本書が「数に強くなる」に繋がるのかと言われると疑問を感じずにはいられません。ですので、その点に期待しすぎるとつまらないと感じるかもしれません。留年した私の気持ちの中にもどこかそんなような感情があったので、率直な感想としてはあまり面白くは無かったと感じました。ただ、本書に書いてある作者の人生観や考え方と言う部分に視点を置くと面白かったなと後から感じました。(もちろん作中でニヤリとしたことはありましたが) まあ読む方は「数に強くなる」と言うタイトルと上についつい書いてしまいましたが、著者からのコメントにそんなに期待しないリラックスして読めば面白いのではないかと思います。
ちなみに著者の畑村氏は最近、失敗学で有名ですね。本書を書く前にも「直観でわかる数学Link 」と言う本を書かれているようです。

著者についてWikipediaで調べる→畑村陽太郎W

数に強くなるLink

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世にも美しい数学入門

~あらすじ~
「美しい数学ほど、後になって役に立つものだ」数学者は、はっきりと言い切る。想像力に裏打ちされた鋭い質問によって、作家は、美しさの核心に迫っていく。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
この本は数学者で国家の品格Wを書かれた藤原正彦Wさんと映画化された博士の愛した数式Wの原作を書かれた小川洋子Wさんの対話が本になっています。題名の「世にも美しい数学入門」は数学を面白く、分かりやすく解説するような感じがします。実際所々で数学の解説があるのですが、すべてがそれではなく博士の愛した数式の話を絡めたり、数学者の人生や生き方なども書いてあるので、いくら入門と言っても・・・と言う方でも大変読みやすいと思います。私はこの本を読んだ後に映画の博士の愛した数式を観たのですが、補足になり良かったです。

※この感想は12月に途中まで書いていてすっかり忘れていました。映画の博士の愛した数式も良かったので、感想を書けたらと思うのですが、それも12月に観たものだから書けるかな・・・。まあ感想自体そんなに気合いの入ったものを書いていないので書けると思いますけどね・・・。

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)Link

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