ミレイ展を見てきました

現在、Bunkamuraで開催されているミレイの回顧展Link を見てきました。家に帰って両親に話したところ勘違いされたのですが、あの落ち穂拾いのミレーではありません。ミレイです。いや、どちららにしても実際の読み方をカタカナで再現できないと思うのでどちらでも良いと思うのですが、落ち穂拾いのジャン=フランソワ・ミレーWはフランスの画家で、こちらのジョン・エヴァレット・ミレーWはイギリスの画家です。ちなみに生きた時代は共に結構重なっています。

さて、展覧会についてですが、ミレイ展のページLink を見ていただけると載っている『オフィーリア』、これはシェイクスピアの戯曲ハムレットでオフィーリアが溺死する場面を描いた作品で、これが目玉となっています。私もこれが半分ぐらい目当てで見てきたのですが、これがとても細密で色彩が鮮やかで心奪われましたね。溺死するという悲しい場面だというのに何故こんなにも美しいのかと思いました。また、作品自体も思っていたより大きく意外でした。他の作品も細かく丁寧に描かれていたのですが、まず、最初から驚きました。ミレイは最年少の11歳でロイヤル・アカデミー(王立美術学校)に入学した事もあり、10歳の時に描かれたデッサンが半端ないです。逆に言えば、この時代、もちろん今の時代もそうでしょうが、デッサンは画家にとって基礎中の基礎である事がうかがえました。

それ以外で私が注目した作品は『マリアナ』と『救助』です。

マリアナ



マリアナの解説はbunkamuraのページLink に載っています。絶望の中で孤独な生活をおくる女性ということなのですが、これが本当に美しく妖艶で、下手な裸婦画よりも官能的に感じられます。腰つきが実にけしからん!(笑) 表情も良く、どれをとっても素晴らしい。

救助



救助ついてのの解説は載っていないのですが、見ての通り消防士が子供を助け出し、母親が安堵するという場面です。私が惹かれた理由はまず、この勇敢な消防士が格好良い、そして、これは会場の解説に書いてありましたが、左上から右下への赤から青への色の変化が、この場面を良く引き立てているところが良いと。ちなみにこの作品はポストカードが販売していなくて残念でした。

あとは『ああ、かようにも甘く、長く楽しい夢は、無残に破られるべきもの』、『ベラスケスの思い出』、『あひるの子』、『使徒』、『国王衛士』、『何を考えているのか』、『ハントリー公爵夫人』、『穏やかな天気』などが良かったと感じました。70点余りあり、どれも綺麗ではあるのですが、実はあまり心に来ない作品も多かったのです。それでも上記の作品を見られた事は大きい収穫であったのではないかと。

ただ、1つ失敗したと思った事があります。平日の3時ぐらいならば空いているだろうと思って行ったら入り口から結構込んでいて焦りました。え、こんなに人気があるのと。ですが、帰宅してそれを父に話したところ、明日の秋分の日と併せて月曜を休みにする会社も多いんじゃないと言われて、ああなるほどと思いました。これは少し誤算でしたね。まあですが、1時間半ほどそれほどせかされる事もなく見られたので良かったとします。

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ツォツィ

~あらすじ~
南アフリカ、ヨハネスブルグ。世界で一番危険なスラム。アパルトヘイトの爪跡が今も残る街に生きる一人の少年。本名は誰も知らない。ツォツィ=不良(ギャング・犯罪者を表すスラング)と呼ばれるその少年は仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸に日々を生き延びていた。名前を捨て、辛い過去を封印し、未来から目をそらし・・・。しかし、ある出逢いによって、ツォツィの人生は大きく変わり始める。奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊。生まれたばかりの小さな命に、ツォツィの封印していた様々な記憶を呼び覚まされていく。やがてツォツィは「生きること」の意味や命の価値に気づき、希望と償いの道を歩み始める。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
正直、最後まで胸が晴れる映画ではありません。しかし、変に感動話としないことで、リアルさが出て、幼少期に心に傷を負った子供や親を失った子供たちの痛みが伝わってきました。

見どころはあらすじにあるように強奪した車に偶然乗っていた赤ん坊を何か心に思うことがあったのか、誘拐してしまい、それを通じて、過去を思い出し、心にいろいろな感情が生まれるという流れです。一番は一度もお礼やお願いをするということがなかった主人公がお礼やお願いをするという場面です。ここで私は確かにこの主人公は変わったのだと感じました。

ただ、赤ん坊を誘拐する前に人殺しをしたり、仲間を暴行したり、車を奪う際に赤ん坊の母親に銃を撃ち、結果的に下半身が動かなくしてしまったことを考えると、なぜ赤ん坊を置き去りにしたり、殺さなかったのかという疑問も浮かんできます。その辺はもう少し描かれていると良かったのではないでしょうか。

幼少時の心の傷という点では舞台の南アフリカに限らず万国共通で、そういった傷を負った子供はいると思います。そして、それは成長にあたって大きな影響を及ぼす。日本でも幼児虐待や果てに殺害に及んでしまうという事件をよく聞きます。そう考えると、子供が生まれた限りはその子が貧富にかかわらず「幸せ」に育たなければならないと感じました。

私はこの映画を通じて、暗を見ることで自分の明を実感し、両親に感謝の念というものを改めて思いました。


公式サイトLink
ツォツィ プレミアム・エディション(2枚組)Link

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明日から学校

いよいよ明日より学校です。
さて、ようやくといいますか、トップページ上部に半年以上貼ってあったバナーを外しました。さすがにもう充分に周知されただろうと思いましたので。
しかし、ここで問題が・・・

なんかバナー外したら外したで寂しくないですか?(笑)
普段あった建物が消えると違和感を持ったり、逆に新しく建物が出来るとそれも違和感を持ったりするのに似ている気がします。

ああ、現在、会員H氏の作った記憶の王冠の公式サイトを構想中なのですが、早くサイトを作ってまたその告知バナーを貼れば違和感はなくなるはず?です。

先週辺りから作ろうと思っていたのにいつの間にかもう学校ですよ・・・
別に作るのが嫌だとかそういうわけではないのですが、やはり何でも「きっかけ」ですね。私は何に対しても瞬発力がないので駄目ですね~。と言っても持久力もないわけでただののろまになってしまうわけですが。

まあそんなわけで、勉強も頑張ってこのサイトももっと発展させたいと思いますのでよろしくお願いします。

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ドミノ

~あらすじ~
実話を元にした、ハリウッドスター、ローレンス・ハーヴェイWの娘でありながら、モデルから賞金稼ぎへ転身したドミノ・ハーヴェイWのハードな賞金稼ぎの生き様を描いた物語。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
映画の最初に断りがありますが、実話を元にはしていますが、結構フィクションが入っている様子です。確かに、ありゃないわと思う場面が見られます。実話を元にした映画だからと言って主人公のモデルになったドミノ・ハーヴェイさんを知っている必要もハリウッドスターで父親のローレンス・ハーヴェイさんを知っているといった必要は全くありません。普通に見て、それなりに楽しめる作品になっているのではないかと思います。

それなりにといいますのは私が馬鹿なのか、それとも分かりにくい作りなのか、内容が途中でこんがらがってなんとなくは理解できたのですが、細かいところがよく分かりませんでした。単に私が真剣に見ていなかったか、寝ぼけてみていたからという可能性もありますが。(笑)
もちろんちゃんと理解できれば充分に楽しめると思います。あと、全体的に映像がコンテラストの強くなっていますが、それがハードでクールさを良く引き出していると思いました。カメラの動きも自分は好きですね。

(追伸:最初から早送りで見直したところ、やっと一応全貌は見えた気がしました。分かりにくい原因は登場人物の多さと場面が変わりやすかったというのもあるのではないかと見直して思いました。ちなみに、きついシーンでもファンキーな音楽がそれを中和していて良かったと改めて思いました。)

ただ、やはり見所は主演のキーラ・ナイトレイWではないでしょうか。記憶にあるのはパイレーツ・オブ・カリビアンWのヒロイン役しかありませんが、それと比べてハードでエロティックです。また、演じられた当時は20歳?という事でそれを考えるとすごいなと。また、それほどはっきりとではありませんが、濃厚なセックスシーンでおっぱいを拝見出来ます。控えめな胸ですが、私は好きですよ。ええ。(笑)


Wikipediaでドミノを検索する→ドミノ (映画)W

ドミノLink

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11:14

~あらすじ~
11:14、それぞれ別々の場所で起きた事件、それらは3つのショートストーリーのように見えるが、実は複雑に絡み合っていて、情報が刻々と鮮明となっていき3つから5つへと展開される。
そして、それらがやがて1本の線へと繋がれる・・・
時系列を巧みに操ったサスペンス。

私の評価:

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~感想~
これは巧いなぁと思いました。おそらく、普通に時系列通りに話を進めたら全く面白くはないでしょう。冷静に考えればストーリー自体は偶然に偶然が重なったというだけのものなのですから。時系列をバラバラにして流す情報を制限して刻々と少しずつ全貌が分かっていくことに、この映画の面白さが詰まっていると思いました。

この映画を一言で言えば「因果応報」という言葉がふさわしいのではないでしょうか。

あまり話すと、いえ話せば話すほどこの映画の面白みは減ってしまうので内容についての言及はしませんが、最初、話がぶった切られて別々の話のような形で進むので色々と疑問が頭に浮かぶのではないかと思います。私自身、ある部分で展開が急というかよく意味が分からなくなったので重要なシーンを見逃したのかと思い、巻き戻してみたほどです。もし、そのような状態に陥ったとしても問題はありません。ストーリーが進むことによりその疑問を解決していきます。暗くて分かりにくかったり、分かりにくい作りだと思っても、それはちゃんと考えて「わざと」情報を制限しているだけなのですから。

余談ですが、あの腹上死?事故?は笑えました。それと、サスペンスと言うことで多少グロテスクな面もありますが、痛々しくも半分コメディ的な要素も含まれていますので、それほど怖がる必要はないかと思います。あと、最後に、時間も長すぎず短すぎず綺麗にまとめられているというのが良かったですね。


11:14Link

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