デイ・アフター 首都水没

~あらすじ~
異常気象により発生したハリケーンとも言えるものの影響により高波と洪水でイギリス北部を襲い、やがて首都ロンドンへと猛威を振るった。それによりテムズ川を水害から守るはずのテムズ・バリアさえ決壊してしまい、ロンドンを水没させてしまうのだった・・・

私の評価:

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~感想~
こういった災害において、1分1秒の対策の早さの差異は大きく、これは日本でも充分に考えられることであり、自然は恐ろしいということを再認識させられました。

劇中では気象庁の予測の誤りが大惨事になる要因となっており、一度は政府発表としておそらくハリケーンは北海へ抜け危機は去ると宣言したのですが、引退した気象水害研究者の教授がそれを予見して気象庁と副首相(首相はシドニーへ訪問中)へ掛け合い、ようやく事態の重大さに気付き、ロンドンに非常事態宣言を発令し、緊急避難が始まったのです。当然、ロンドンはパニックとなり、交通網は麻痺、発令してから洪水が押し寄せるタイムリミットまでの時間が短かったために多くの人命が失われることとなりました。

そう考えると、気象庁の失態は大きすぎるものなのですが、引退した教授しか予見できなかったのも、いかがなものなのだろうと思いました。

ストーリーは北部での高波からロンドンへの被害まで、そしてそれを食い止める、あるいは救助にまわるといった流れです。主人公は気象庁に勤める?前述した教授の息子で、舞台は副首相と気象庁長官らが詰める対策本部と洪水をせき止めるはずだったテムズ・バリアとなっています。
そのストーリーの中で当然人間ドラマが展開されるわけですが、主人公と教授の間には長年にわたる亀裂が生じていたり、主人公と離婚した元妻はテムズ・バリアで勤務していることもあり、それらの人間模様が描かれています。
これについては中途半端感が否めず、何だか納得がいかない展開であったように思えます。また、終盤によく映画でありがちな「選択」に迫られる場面があるのですが、もっと良い策を取ることは出来なかったのかという疑問も浮かび、正直、緊迫があまり感じられませんでした。

そういうわけで、見所はやはり波や洪水の迫力のCG映像となってしまうのではないかと思います。

余談ですが、私自身、家が川のすぐ横にあるため、あんな洪水になったらうちは一発だな…などとも感じました。私が生まれて以来川が氾濫したということはないようですが。


デイ・アフター 首都水没 完全版Link

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セイヴィア

~あらすじ~
主人公ギイはイスラム原理主義者のテロにより妻子を失った。それにより理性を保てなくなり、テロ現場近くのイスラム教寺院の信者が犯人だと決めつけ、そこへ乗り込み礼拝していた信者を皆殺しにしてしまう。ギイは政府関係の仕事に就いていたため、その繋がりにより?罪を免れる代わりに訓練を受け、内戦状態のボスニア・ヘルツェゴビナへ派遣され、セルビアの外人部隊へ入隊する事となったのだった。

私の評価:

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~感想~
本作は会員のENZANに勧められて見ることにしたこともあり、私は見始めから何だかかったるそうな映画だなと思っていましたが、開始わずか数分でテロで妻子を失う事に驚きつつも、その辺から引き込まれていきました。犯人がイスラム原理主義者である目星はついていたようですが、襲撃して皆殺しにしたイスラム寺院の人が本当に犯人だったのかどうかについては触れられていません。どちらにしてもいくら妻子を失ったとはいえ急な行動には見えたのですが、別の見方をすれば人間の憎悪と言うものは恐ろしく、こうも簡単に行動をしてしまうという事を示しているのかもしれません。

そして、ここら辺もあまり詳しく触れられていないのですが、おそらく裏取引による刑罰免除で傭兵として鍛え上げられ、名前も変えて新しい人物として、内戦中のボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア軍の外人部隊へ派遣されます。そこでは他勢力による蹂躙、また自勢力による蹂躙も行われ、子供までもが内戦の道具とされるひどい内戦状態、まさに悪夢と言える惨状でした。

本作ではほとんど報われる、救われるような展開はなく、そう言ったことに期待してはいけません。なんの躊躇もなく惨殺されたり、人が殺されていきます。本当に最後には報われるというような甘い映画ではありません。ですので、暗く地味な印象を受けると思います。しかし、そのように明るい要素をほとんど排す事により、生々しく、リアルさが良く現れているのではないでしょうか。

戦争の悲惨さ、宗教、民族対立の無意味さといったものが痛烈に伝わってきます。
そして、何のための、誰のための戦争なのかという問いが浮かんできました。

この映画はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争Wを元に作られており、私は当時小学生であり、そう言ったことがあったなぐらいにしか記憶になく、コソボ紛争WのNATOによる空爆は結構記憶には残っていますが、いまいち良く分からなかったのです。しかし、これが調べてもセルビア、クロアチア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナなど多くの国、民族が関係しているためになかなかこの一連の紛争から独立までの流れをつかむのは難しく、出来ればもう少し調べて関係を理解できればと思っています。そういった意味では、その流れを理解している方であれば、より視野を広くしてこの映画を見ることが出来のではないでしょうか。

私は基本的に「楽しい」映画の方が好きですが、こういった映画を見るのもたまには悪くなく、様々なことを考えさせる良い映画だと思いました。


セイヴィアLink

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ターミナル

~あらすじ~
クーデターで事実上祖国が消滅し、パスポートは無効。ターミナルから一歩も動けなくなってしまった主人公が果たさねばならない“約束”とは…。
(Amazonより)

私の評価:

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~感想~
トム・ハンクスW演じる主人公のビクターのキャラクターが面白くて飽きることがありませんでした。トム・ハンクスはまじめな役も、このターミナルのようなおとぼけ役もいい味出してますね。最初は英語が全くしゃべれないという設定でなおかつ挙動不審だったのでコメディー映画のミスタービーンを思い浮かべたのですが、それとは違い、ちゃんと意思の疎通が出来る人物だったようです。(笑)
ストーリーの展開もほぼ納得ではあったのですが、個人的にはアメリカへ来た動機付けの部分がいまいち納得がいかなかったのと、空港管理責任者?のディクソンの嫌がらせの行動に疑問の残る部分があった事が残念でした。
ちなみに小さいところでは吉野家が空港のテナントとして出ていたり、大工仕事の期間作業員が時給19ドルで嫌がらせをするディクソンよりも賃金が多いというのには驚いたりしました。


ターミナルをWikipediaで調べる→ターミナル (映画)W
公式サイトLink

ターミナル DTSスペシャル・エディション<2枚組>Link

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今年最後の部会となるか?

前回の部会(ちゅんちゅん会の集まり)はゴールデンウィークLink でした。残念ながら今回は会員スーが所用のため欠席となりました。

来年は皆、入社・・・会員H氏をはじめ、知り合いの何人かは地方へと行くことになるそうで、寂しくなるなと。こうして同じように茅ヶ崎、神奈川から出て行き、そこで家を持ち永住するなんて人も出てくるのでしょう。

ですが、今はインターネットや携帯があるので昔よりも連絡の手段が多彩かつ容易になっています。そう考えるとインターネットのありがたさを改めて感じるのだろうなと思います。実際、今回の部会もインターネットを通じて済ませないこともないのですから。

ただ、やはり会って話すのとインターネットでやりとりするのでは受ける感情や気持ちも変わってくると思うのです。(たとえSkypeLink などを利用してテレビ電話で話すとしても)

その差異を無くすことが出来たら、それが次世代の通信となるのだろうなどと思ったのでした。

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先月、bunkamuraで見てきたシャガールの絵に偽作の疑い!?

【読売新聞】シャガール3作展示を見合わせ、「真作でない」指摘受けLink
各新聞社で報じていますが、読売の記事を載せさせていただきます。

マルク・シャガールの油彩画3点について、著作権を継承するシャガール委員会から「真作でない」と指摘があり、主催者側は25日から巡回するサントリーミュージアム[天保山](大阪)での展示を見合わせると発表した。

作品は「女の肖像」「家族」「ヴァイオリン弾き」。主催者側に「シャガールの作であることには技法などから否定的である」として展示を控えるよう要請があった。

作品を所蔵するモスクワ市近代美術館は「学術調査も行い、真正であることに何ら疑義を挟むものではないと確信している」との立場。著作権者と所蔵者の見解が分かれたため、問題解決まで展示を見合わせることにしたという。

読売新聞記事より一部引用と改変

とのこと。
私が8月5日に行ってきたときのレポートLink を見ていただければ分かるように「シャガールからマレーヴィチまで 青春のロシア・アヴァンギャルド」と銘を打っていて「青春のロシア・アヴァンギャルド」が本題であってもシャガールWが明らかに一番の目玉であり、これを目当てに来られた方も多いのではないかと思います。

また、記事には書いてありませんが、展示されたシャガールの作品のうち3点というわけではなく、偽作と疑われる3点で全てなのです。つまり、大阪ほかで巡回する予定のこの展覧会ではシャガールの作品は一点もないと言うことになります。これは題名に問題があることとなり、おそらく題名の変更が迫られるのではないかと思います。(ただの「青春のロシア・アヴァンギャルド」となるとか)

私は別にシャガールが特に好きでも嫌いでもなく、どちらかというと日本初公開となるロシア・アヴァンギャルドの方に惹かれて見てきたので問題はないのですが、見に行ってきたときのレポートには偽作の疑いがある「ヴァイオリン弾き」が良かったと書いていて実際それについてはポストカードも購入しているのです。(笑)

なんという心眼の無さ・・・笑うしかありません。
ですが、この作品に何か感じるものがあったのも事実。でなければポストカードなど購入しません。たとえ別の人の作品だろうと良いものは良いと思うことが一番ではないかと思います。

絵画に限らず芸術なんて、自分の興味を持ったものを楽しめればそれで良いのです。
芸術は創る側も鑑賞する側も一番、自分に個性的であり、それが許される分野なのですから。

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