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エッシャーが僕らの夢だった

[カテゴリ: 批評・感想] エントリー: 2006-12-13

〜あらすじ〜
ミック・ジャガー、磯崎新、中村桂子、羽生善治…たくさんの著名人に愛される異端の版画家M.C.エッシャー。彼の世界最大のコレクションが、日本にあるのは何故なのか?アウトサイダーとしての生き方を選び、エッシャーの絵に魅せられ東京で夢を追い続けた3人の男たちの青春群像。60~80年代を舞台とした、心を熱くさせる物語。
(Amazonより)

私の評価:★★★★★[5点中5点]



〜感想〜
この本はエッシャーやエッシャーの作品自体のことを重点とした本でなかったので、読んでいるうちにそれに気づいたときは少し残念に思いましたが、そんなことを別として本として面白く満足させてもらいました。甲賀正治という方が借金をしてまでバブル期に7億円をだしてエッシャーコレクション(作品から下絵、遺品など数百点)を購入するまでの話をエッシャーの作品が日本にどのように紹介されていったのか、各人のエッシャーへの想いを当時の美術界、時代背景などを交えて書かれています。
とりあえず、最初から驚きました。 時代は1966年、学生運動真っ盛りで主人公である甲賀さんがなんと私の大学を中退するところ(しかも同じ学部)から始まるのです。具体的に大学名は書いておらず、アルファベットで頭文字が書かれているだけですが内容から分かります。驚きというかこの偶然性には笑わさせてもらいました。
そのほかに印象に残ったのは、我が国における終戦から高度経済成長、戦後の美術への関心、美術展の様子の推移など。主題はエッシャーとコレクションを買う甲賀さんなのですが、そういったものが作中にうまく取り込まれていて、大変興味をもって読むことができました。またなんといっても、私の知らない 60〜80年代の雰囲気、この本に出てくる様々な人物のエッシャーにかける情熱、仕事にかける情熱を強く感じさせてくれる本で、これからエッシャー展へ行く予定の私にとっては本当に良い本でした。

p.s この文章自体は1か月ほど前に書いたものだったのですが、なかなか投稿する機会がありませんでした・・・。やっと公開。

こちらは最近出版された「エッシャーが僕らの夢だった」の再編集し文庫化されたものです。


こちらが私の読んだ方です。(現在品切れ中)

posted by 拓海

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