オリバー・ツイスト

~あらすじ~
1847年、両親を亡くし、救貧院で暮らすオリバーという少年がいた。その生活はひどいものであった。このひどさから脱するために救貧院を脱走し、ロンドンを目指すのであった。ロンドンへ着いたオリバーは少年窃盗団を率いるフェイギンに拾われるが・・・

私の評価:

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~感想~
私がひねくれてしまったのか、こういう正統派の?感動話を見ると、あら探しをしたくなってしまうのですが、まあ素直に見れば、良い話だと思います。ただ、残念だったのはオリバーは純粋無垢な少年なのですが、どうしてそういう少年に育ったのか、母親は亡くなったとしか描かれていませんが、その辺はもっと細かく描かれると良かったのではないでしょうか。劇中で同じ孤児院の子供に母親の悪口を言われて怒ったところから、母親の重要さがうかがえ、その母親無くして劣悪な環境で不良に走らず幼い子供が純粋なままで育ったとは考えられませんので。

また、ストーリーの展開で結構、ご都合主義なところが見受けられるのも否めません。それと、ご都合主義と関連して気になった事があります。この時代のイギリスは私が考えているよりも警察がしっかりと機能していて見ず知らずの孤児に優しくする人もいるという事(それはオリバーのすごさ(主人公補正(笑))かもしれませんが)、これに驚きました。この頃のイギリスはもっと殺伐としていて、庶民は今日を生きるのも精一杯というような印象でしたので。

この話は最終的にはハッピーエンドとなりますが、それはオリバーの人徳や運も大いに関係しており、人生というのは色々な分かれ道があり、明暗が分かれると言う事もまた示しているのではないかと思いました。作者自身は「信じるものは救われる」ではありませんが、純粋で正直な少年には必ず良い事が訪れると言うような事を伝えたかったのではないかと思います。ですが、逆に前述のように全てが救われる世の中ではないと言う事も案に示しているのです。

なんだか批判的な事ばかり描いていますが、あまり深く考えずに正統派の感動映画として見れば問題なく、映画全体の出来としては良いと思いましたので星4つにしました。


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